高熱と多量の放射線に包まれたこの大地。
人類は何よりもまず、自分という種の存続を考えなければなりませんでした。
安住の地である「シェルター」は、完全な循環システムを備えた恒久の楽園です。
遺伝子プールの掌握はあらゆる病を根絶し、発達した神経工学が見せる共感覚幻想はどんな欲望も叶えました。
シェルターの外部を探索する「調査隊」の隊員であるヴィクターは、任務中に負傷して療養施設に滞在していたところ、「管理者」オリヴィアに呼び出されました。
与えられた指令は、最高機密の情報領域「ホワイトミュート」の警備。
自分にとって全くの専門外である職務に訝しむヴィクターでしたが、同僚のロビンとジズベラによる教育と、幾多の実戦を経て、徐々に自身の能力を開花させていきます。
ヴィクター
シナリオBの主人公。物語の大部分は彼の視点で展開する。
工兵として調査隊に勤務し、生涯のほとんどを「外の世界」で過ごしてきたという異色の経歴の持つ。そのためシェルターの住人でありながらシェルターの内情に疎い。
オリヴィア
名実ともにシェルターを支配する「管理者」の女性。
あらゆる情報が機密とされる謎に満ちた存在であるが、当人は至って飄々とした好人物。
やがて訪れる危機に備え、自身が直接指揮する”チーム”を編成する。
ロビン
神経工学の権威として名高い、シェルター指折りの研究者にして技術者。その豊富な知識を生かしてヴィクターに助言を与える。
面倒見がよく明るい性格で、心身両面から仲間を支える、頼りになる存在。
ジズベラ
シェルターの治安業務を一手に担う「治安調整部」に所属する戦闘員。冷徹な判断力を持った電脳戦のエキスパート。
オリヴィアの命令に従い、ヴィクターに電脳戦の訓練を施す。
任務に対して非常に忠実であるが、その一方で彼女にはある思惑があった。
緑の魔女
シェルターの守護者である3番目の魔女。ヴィクターの夢に現れては謎めいた言葉を残す。
少女の容貌と口振り、しかしその言動はどこか酷薄。
青い魔女
人類に対して”無干渉”であるという選択を体現するために、ただ沈黙し続けるという使命を得た2番目の魔女。性格は皮肉屋で気まぐれ。
あるとき偶然に”男”と出会い、その破滅的な姿に魅せられる。
そして彼女は最初にして最後の過ちを犯す。
赤い魔女
「外の世界」の人類を繁栄させるため、シェルターと敵対することを選んだ1番目の魔女。謀略と破壊を司る、静かなる狂気の女神。
シェルター内部において大幅な機能制限を受けるために、常に「眷属」と呼ばれる人間の協力者を操ることで目的を達する。
”彼”
シナリオAの主人公。
名前は明らかではなく、自ら言葉を発することもない。”彼”や”あの男”といった三人称でのみ語られる存在。
「外の世界」の出身であり、シェルターを破壊するために単独で内部に侵入していた。
無謀にもシェルター中枢システムへの攻撃を試み、そして当然のごとく敗れ去る。
もはや死を待つばかりの状況であったが、彼はそこで「魔女」と遭遇する。